2005年12月16日 サマリー・データ >> 目次 (作成日順)
  ● QUESTION   サマリー 系 entity は、対照表あるいは対応表として扱うのか。
  ▼ ANSWER   対照表や対応表として記述されることもあれば、VE になることもある。
2011年 1月 1日 補遺  



 TM では、entity は認知番号を付与された対象──すなわち、F-真を示す対象──として定義しているので、サマリー (summary) 系 entity という言いかたはしない点に注意して下さい。

 サマリー は、対照表として記述されることもあれば、VE として記述されることもあれば、「ウルトラ・スーパー・ターボ・ファイル」 として記述されることもあります。たとえば、顧客ごとの売上総計は、(画面ごとに、「受注」 の サマリー を作成するいっぽうで、) 顧客 entity に対する VE を用意したほうが理解しやすいでしょう。

(顧客ごとに) 受注単位の総計 (sum) を記述する。

             ┌─────────────────┐
             │       受注       E│
             ├────────┬────────┤
             │受注番号    │        │
             │        │        │
             │        │        │
             └────────┼────────┘
                      |
                      ×
                      |
          ┌───────────┴───────────┐
          |                       |
 ┌────────┴────────┐     ┌────────┴────────┐
 │      受注HDR      │     │      受注DTL      │
 ├────────┬────────┤     ├────────┬────────┤
 │受注番号    │受注日     │     │受注番号    │受注数     │
 │顧客番号(R)   │受注数総計(D)  ├┼───<│明細行番号   │        │
 │        │        │     │商品番号(R)   │        │
 │        │        │     │        │        │
 │        │        │     │         │        │
 └────────┴────────┘     └────────┴────────┘


▼ (顧客ごとに) 商品単位の総計 (sum) を記述する。

 ┌─────────────────┐     ┌─────────────────┐
 │       顧 客      R│     │       商 品      R│
 ├────────┬────────┤     ├────────┬────────┤
 │顧客番号    │顧客名称    │     │商品番号    │商品名称    │
 │        │        │>─○─┼┤        │        │
 │        │        │  │  │        │        │
 │        │        │  │  │        │        │
 │        │        │  │  │         │        │
 └────────┴────────┘  │  └────────┴────────┘
                      │
                      │
             ┌────────┴────────┐
             │    顧客. 商品. 対照表    │
             ├────────┬────────┤
             │顧客番号(R)   │受注数総計(D)  │
             │商品番号(R)   │        │
             │        │        │
             └────────┴────────┘



▼ 顧客ごとに総計 (sum) を記述する。

 ┌─────────────────┐     ┌─────────────────┐
 │       顧 客      R│     │     顧客. 受注総計   VE│
 ├────────┬────────┤     ├────────┬────────┤
 │顧客番号    │顧客名称    │     │顧客番号(R)   │受注数総計(D)  │
 │        │        ├┼───┼┤        │        │
 │        │        │     │        │        │
 │        │        │     │        │        │
 │        │        │     │         │        │
 └────────┴────────┘     └────────┴────────┘

 
 ちなみに、「ウルトラ・スーパー・ターボ・ファイル」 というのは、「欲しい データ を、恣意的に (法則に従わないで、) 一ヶ所に貯蔵した容れ物 (いれもの)」 です。したがって、正規形および正規形を起点にして (TM の文法に従って) 生成される 「セット を組とする オブジェクト」 のほかは、TM では、原則として、作成しない点も注意して下さい。

 TM では、サマリー・データ をはじめとして、F-真を起点にして演算された L-真項目は、(D) を付与して、注意を促しています。そして、(D) は、アトリビュート・リスト を作成するまで、TM の構造の中に記述します。(D) を実装するかどうかという判断は、使う RDB の性能に依存します。

 



[ 補遺 ] (2011年 1月 1日)

 「T字形 ER法」 では、「ターボ・ファイル」 という ことば を使っていたので、「T字形 ER法」 を学習した人たちは、「ターボ・ファイル」 という ことば を今でも使っているようですが、「T字形 ER法」 を改良した TM では、本文のなかでも述べましたが、「ターボ・ファイル」 という ことば は存在しない点に注意してください。「T字形 ER法」 を学習して TM を学習していない人たちは、TM を学習してください──TM の公理系は、T字形 ER法のそれとは全然異 (ちが) っていますので、ぜひとも、古い情報を アップデート してください。





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