2023年 2月15日 「2.5 構文論が先で、意味論は後である」 を読む >> 目次に もどる


 本書を前回まで (第 2章 4節まで) 読んできた人は、関係主義に立脚した論理的意味論では、「構文論が先で、意味論は後」 ということが 充分 わかったでしょう。モデル TM は、数学基礎論の理論・技術を前提にした論理的意味論の モデル 作成技術です。しかも、コッド 関係 モデル を起点にして拡張した モデル 作成技術です── モデル TM は、データベース の データ 設計技術として使用されている コッド 正規形を データ 設計の前段階たる分析段階でも使うことができるように工夫した技術です。コッド 正規形という すばらしい技術を基礎にして拡張した技術であって、とりたてて独創というような技術的発明は毛頭ない──モデル TM は、コッド正規形の primary-key に着目して、primary-key を基軸にして事業の 「構造」 を構成/分析するようにした モデル 作成技術です。

 論理的意味論では 「構文が先で、意味論は後」 ということが大前提ですが、モデル 作成技術と称して世に謳われている ほとんどすべてが記述的意味論なので、記述的意味論を信奉している いわゆる 「モデル 村」 では 論理的意味論を説明しても なかなか わかってもらえないので、私は講演をやらなくなった──「構文論が先、意味論は後」 という前提で モデル TM を私が話しても彼らには わかってもらえないので (苦笑)。ちなみに、逆に言えば、コッド 氏は記述的意味論 (当時の Entity-Relationship 法) を モデル とは認めていなかった。コッド 関係 モデル を踏襲している モデル TM も コッド 氏と同じ立場をとっています。そういう訳なので、モデル TM の前身である T字形 ER法という名称を TM と改称した次第です。 □

 




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