2023年 4月 1日 「2.8 『構造』 を作るとは、モノとモノとの関係...」 を読む >> 目次に もどる


 本節では、「構造」の見かた (捉えかた) として、次の 2つの視点を述べています──

  (1) 実体主義

  (2) 関係主義

 科学的な認識が実体概念からはじまって関係概念のほうに移ってきたことは、第 5章 (「関係」 文法) の 「さらなる学習のために」 (本書 5.11) のなかで述べています。本書は、数学基礎論の基本技術を使って モデル 作成技術を論じているので、当然ながら関係主義を前提にしているのですが、世間では──モデル 作成技術を論じている書物のほとんどが──如何せん実体主義ぽい前提に立っているので (具体的には、Entity-Relationship 法が その典型です)、先ず 関係主義の考えかたを 「構文論と意味論」 への導線として本節で述べた次第です。

 関係主義とは、「関係が一次的で、モノ は その変数にすぎない」 (関数の変数のなかに値が充足されたら、モノ が存在する) という考えかたなので 「関数」 の技術を使い、「関数」 を使うからには、「構文論と意味論」 (すなわち、モデル 論) が重視されます。そして、「構文論と意味論」 を前提にして、「論理」 の正しさ (導出的な真事実的な真) が帰結するのです。

 「構造」 全体を記述する モデル 図では、「箱 (モノ) じゃない、線 (関係) を観よ」 というふうに私は DA (Data Analyst、モデル 作成者) を指導しています。全体の文脈 (「構造」) のなかで モノ の 「意味」 は定まる (意味 [ meaning ] の使用説)、そして モノ と値が 「1-対-1」 対応する (意味 [ sense ] の対象説)。 □

 




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