2020年 4月15日 「6.1.2 論理的否定の法則」 を読む >> 目次に もどる


 本節では、全称命題 [ ∀x P(x) ] と存在命題 [ ∃x P(x) ] の それぞれの論理否定形を扱っています。
 それぞれの論理否定は、ド・モルガン の法則を使えば、次のようになります。

  (1) ¬{∀x P(x)}=∃x¬P(x).

  (2) ¬{∃x P(x)}=∀x¬P(x).

 上述の式を見てわかるように、全称命題 (条件 P の全称命題) の論理否定は存在命題 (条件 P を否定した存在命題) となります。自然言語と対比して云えば、たとえば、All of us are rich の否定は、It is not true that all of us are rich (= Not all of us are rich) [ すなわち、¬{∀x P(x)} ] という 「部分否定」 になるということです。全称の論理否定は、反例を示すときに使われる論法ですね。

 全称命題の 「全部否定」 は、∀x¬P(x) です──これは、条件 P を否定した全称命題であって、全称命題の否定形ではないことに注意してください。∀x¬P(x) は、¬{∃x P(x)} (条件 P を満たすものは存在しない) と同値です。先の自然言語の例でいえば、None of us are rich ということ。

 以上を まとめると──

  (1) ¬{∀x P(x)} (全称命題の否定形) It is not true that all of us are rich.

     ∃x¬P(x) (条件 P を否定した存在命題 [ 部分否定 ] ) Not all of us are rich.

  (2) ∀x¬P(x) (条件 P を否定した全称命題 [ 全部否定 ] ) None of us are rich.

 この文を綴っていたら、高校の英語で all...not の 「意味」 を習ったことを思い出しました。さて、次の英文は、全部否定か部分否定か、、、

    All will not go.

    All those books are not good.

 全部否定にも部分否定にも 「解釈できる」 曖昧な文ですね。論理の学習をしていれば、こういう曖昧な英文を書くのを避けるでしょうね。全部否定なら None of us...、部分否定なら Not all...を使うでしょう。 □

 




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