思想の花びら 2018年10月 1日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  (デカルト は、) 組織の改変はしなかったが、革命もなく、新しい道もなく、精神のうちで、すべてを改変したのだから。
  整然と思索して、ひとたび思想と延長とを区別したら、もはやどんな混乱も困難も忘れなかった。すべては、持ち場持ち場におくりかえされた。魂を精神のうちに確保して、物の手にゆだねない、そのかわり、あらゆる運動は、延長をもった物の手に回送され、あらゆる情熱は、おそろしいものだが、結局限定された扱いうる物として、肉体のなかに投げこまれる。読者がとやかく考えをめぐらすまでもなく、これでことはかたづく。

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  「客観的態度」 で文化政策論などせずに、自分が実際読んだり接したり、あるひは思ひ惑つてゐるところを、胸をひらいて衷心述べることだ。古来優れた為政者や武将たちが、戦ひのあひまに歌を詠じ、絵を愛し、また茶道に身をいれて、そこに痛切の思ひを述べたのは我が美しい国風であつた。

 


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